「新NISAのつみたて投資枠って、株式のファンドしか買えないんでしょ?」——そう思っていませんか。実は2026年度の税制改正で、つみたて投資枠の対象が「株式」から「株式または公社債(債券)」まで広がることが決まりました。株の値動きが怖い、退職が近くて大きく減らしたくない——そんな50代にとって、非課税で「守りの資産」を組み込めるようになるのは、地味ですが大きな変化です。この記事では、何がどう変わるのか、そして50代が債券ファンドをどう活用すればいいのかを、図解でいっしょに整理していきましょう。



📑 目次
結論:債券解禁は50代の「守り」を非課税で作れる改正。ただし焦って全額シフトは不要
先に結論からお伝えします。2026年度改正による「つみたて投資枠での債券ファンド解禁」を、50代はこう受け止めておけば十分です。
- ① つみたて枠だけで「攻めと守り」を両方組めるようになる:これまで株式中心だった非課税枠に、値動きのおだやかな債券ファンドを加えられる
- ② 50代は「取り崩し期に近い」からこそ守りが効く:暴落のタイミング次第で資産寿命が変わる「順番リスク」を、債券がやわらげてくれる
- ③ 「解禁=今すぐ全額シフト」ではない:実際に買えるのは2027年以降の見込み。金利・為替の影響もあり、自分の年齢と目的に合わせて少しずつが基本
ポイントは、債券は「増やす」より「減らさない・ブレを抑える」ための道具だということです。まずは、そもそも何がどう変わるのかを図で確認しましょう。
2026年改正で何が変わる?つみたて投資枠の対象拡大
これまでのつみたて投資枠(旧つみたてNISAの流れをくむ枠)の対象は、金融庁が定めた基準を満たす「主に株式に投資する投資信託・ETF」に限られていました。つまり、債券だけに投資するファンドは、つみたて枠では買えなかったのです。図1をご覧ください。
※実際に債券ファンドを購入できるのは2027年1月以降の見込みです。対象となる具体的な商品は今後金融庁が定めます。
「株式」から「株式または公社債」へ
2026年度の税制改正では、つみたて投資枠の対象が「株式または公社債に投資する投資信託」まで広がります。具体的には、日本国債・外国債券・格付けの高い社債などを中心に運用する低コストのインデックスファンドが加わると見られています。これにより、つみたて枠だけで「国内株式・外国株式・国内債券・外国債券」の4資産を、それぞれのファンドで自由に組み合わせられるようになります。
実際に買えるのは2027年以降の見込み
注意したいのは時期です。改正の方針は2026年度に決まりましたが、実際に対象の債券ファンドをつみたて枠で購入できるようになるのは2027年1月以降の見込みとされています。対象となる具体的な商品リストは、今後あらためて金融庁が定めます。制度の最新情報は金融庁「NISA特設ウェブサイト」で確認できますので、実際に買う前に一次情報をチェックする習慣をつけておくと安心です。新NISAの基本をおさらいしたい方は新NISAって結局何がお得なの?50代サラリーマンが実際にやってみたもあわせてどうぞ。


なぜ50代に「債券という守りの資産」が効くのか
債券は、国や企業にお金を貸して利子を受け取る仕組みの金融商品です。株式に比べて値動きがおだやかで、株が下がる局面でも比較的値を保ちやすい傾向があります(※常に下がらないわけではありません)。この「値動きのおだやかさ」が、50代にとって特に重要になる理由が「順番リスク(シークエンスリスク)」です。図2をご覧ください。
※実在の商品の実績ではなく、値動きと取り崩しの関係を示すための簡略なイメージです。将来の成果を示すものではありません。
取り崩し期の「暴落のタイミング」で資産寿命が変わる
順番リスクとは、資産を取り崩し始めた「初期」に大きな暴落が来ると、その後に相場が回復しても資産が元に戻りにくくなる現象です。積み立て期(買う時期)なら暴落はむしろ安く買えるチャンスですが、取り崩し期(売って使う時期)に暴落が重なると、値下がりした資産を売って生活費に充てることになり、資産の減りが一気に加速します。図2のように、同じ取り崩し額でも、株式100%と「株式+債券ミックス」では資産の減り方が変わってくるわけです。
50代は「積み立て」から「取り崩し」への移行期
50代は、退職金の受け取りや定年後の生活が視野に入り、「増やすフェーズ」から「守りながら使うフェーズ」へ移っていく年代です。だからこそ、値動きをやわらげてくれる債券の役割が効いてきます。暴落そのものへの向き合い方は暴落時の対応マニュアル|50代が守るべき行動原則と投げ売りを避けるチェックリストで、取り崩しの考え方は新NISAの出口戦略|50代から考える取り崩し方と4%ルールのリアルで詳しく解説しています。あわせて読むと、守りの必要性がより腹落ちするはずです。
50代の資産配分に債券をどう組み込むか|3つのパターン
では、実際に債券をどのくらい持てばいいのでしょうか。「正解の比率」は人それぞれですが、考え方の目安として、攻め寄り・バランス・守り寄りの3パターンを図3にまとめました。
※あくまで考え方の一例です。最適な比率は年齢・資産額・リスク許容度・他の資産(退職金・年金)によって異なります。
年齢や目的に応じて債券比率を高めていく
よく言われる目安のひとつに「債券比率=年齢」という考え方があります。50代なら株式50:債券50前後を一つの軸に、まだ働く期間が長く増やしたい人は攻め寄り(株式70:債券30)、退職が近く減らしたくない人は守り寄り(株式30:債券70)へ、というイメージです。大切なのは、「これが唯一の正解」という比率はなく、自分が夜ぐっすり眠れるバランスを選ぶことです。
- STEP1:まず生活防衛資金(現金)を確保する。投資に回すのはその上の余裕資金
- STEP2:年齢・退職までの年数・リスク許容度から、株式と債券のざっくりの比率を決める
- STEP3:一度に大きく動かさず、積み立てや配分変更で少しずつ債券比率を高めていく
まずは「生活防衛資金」が先
債券は守りの資産ですが、それでも元本保証ではありません。投資の前に、まず現金の生活防衛資金を確保しておくことが大前提です。いくら必要かの目安は新NISAの前に生活防衛資金はいくら必要?50代の目安・置き場所・取り崩しルールで解説しています。資産全体のバランスを定期的に見直す「リバランス」の考え方は50代のポートフォリオ・リバランス戦略|新NISA時代の資産配分見直し術もあわせてどうぞ。株と債券を1本でまとめたい人向けのバランス型投資信託という選択肢もあります。
債券ファンドの注意点|「解禁=今すぐ買う」ではない
「守りになるなら早く買わなきゃ」と焦る必要はありません。債券ファンドにも、知っておくべき注意点があります。
金利が上がると債券価格は下がる
債券には「金利が上がると、すでに発行された債券の価格は下がる」という性質があります。近年は日本でも金利が動く局面にあり、「債券=絶対に安全」ではなく、金利次第で値下がりすることもある点は理解しておきましょう。とくに満期までの期間が長い債券ファンドほど、金利変動の影響を受けやすくなります。債券の仕組みを図解付きで学びたい方は、投資信託協会の公式サイトでも基礎から説明されています。
外国債券は「為替」の影響も受ける
外国債券のファンドは、債券自体の値動きに加えて為替(円高・円安)の影響も受けます。円高に振れると、円建ての評価額が目減りすることもあります。為替ヘッジの「あり・なし」で値動きの性格が変わるため、50代の新NISA、為替ヘッジ「あり」vs「なし」どっちを選ぶ?もあわせて確認しておくと選びやすくなります。守りの資産として似た性格を持つ個人向け国債(変動10年)と比べてみるのもおすすめです。
非課税枠は「増やす資産」を優先する考え方も
もう一つ、視点として持っておきたいのが「そもそも非課税の枠は、値上がり益が大きい株式に使ったほうが節税メリットが大きいのでは?」という考え方です。債券は値動きがおだやかな分、非課税の恩恵も相対的に小さくなります。ですから「守りは特定口座や現金で、非課税枠は株式で」という組み方も十分に合理的です。債券解禁は「選択肢が増えた」だけで、全員が使うべきものではない——この距離感で受け止めておきましょう。実際に商品を選ぶ際は、銘柄比較ツールが充実したネット証券があると便利です。証券会社の比較はネット証券3社徹底比較|新NISAで選ぶならSBI・楽天・マネックスどれ?を参考にしてください。
参考になる一次情報
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」:新NISA制度・対象商品・改正内容の公式情報
- 投資信託協会:投資信託・債券の仕組みの基礎解説
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まとめ:非課税の「守り」という新しい選択肢
- 2026年度改正で、つみたて投資枠の対象が「株式」→「株式または公社債」へ拡大
- つみたて枠だけで国内株・外国株・国内債・外国債の4資産を組めるように(購入は2027年以降の見込み)
- 50代は取り崩し期に近く、「順番リスク」を債券がやわらげてくれる
- 配分は年齢・目的に応じて債券比率を高めるのが目安。自分が眠れるバランスで
- 債券も金利上昇で値下がり・外債は為替リスクあり。「解禁=今すぐ全額」ではない
- 投資の前に生活防衛資金(現金)を確保するのが大前提
今回の債券解禁は、派手さはありませんが、50代が「非課税で守りを固める」という新しい選択肢を得たという意味で、意外と大きな改正です。とはいえ、あわてて全額を債券に移す必要はありません。まずは自分の資産全体を眺めて、「攻めと守りのバランスは今どうなっているか」を確認するところから。制度が整う2027年に向けて、少しずつ準備していけば大丈夫です。焦らず、一緒にコツコツやっていきましょう!
※本記事は2026年7月時点の公開情報を基にした一般的な情報提供であり、特定の銘柄・金融商品や投資手法を推奨・保証するものではありません。2026年度税制改正の内容・施行時期(つみたて投資枠での債券ファンドの対象化は2027年以降の見込み)や対象商品は、今後の金融庁の決定により変更される場合があります。図表中の資産配分比率・シミュレーションはあくまで説明のための一般的な目安・概念図であり、将来の運用成果や特定商品の実績を示すものではありません。債券・投資信託は元本保証ではなく、金利変動・為替変動等により価格が変動します。具体的な投資判断にあたっては、金融庁・投資信託協会等の公式情報を確認のうえ、必要に応じて証券会社・FP等の専門家にご相談ください。投資は元本割れの可能性があります。








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