「新NISAの成長投資枠なら、上場株式でも投資信託でも、なんでも自由に買えるんでしょ?」——そう思っていると、いざ買おうとしたときに「この商品はNISAでは買えません」と弾かれて戸惑うことがあります。実は成長投資枠には、制度上あえて「買えない・対象外」にされている商品がいくつかあるのです。人気の高レバレッジ投信や毎月分配型ファンドなどが、その代表例。この記事では、成長投資枠で買えないものは何か、なぜ除外されているのか、そして50代が誤解しやすいポイントを図解でいっしょに整理していきましょう。



📑 目次
結論:成長投資枠にも「買えない4類型」がある。人気商品でも対象外に
先に結論からお伝えします。成長投資枠は上場株式や投資信託を幅広く買えますが、次のように「買えないもの」が制度で定められています。
- ① 整理銘柄・監理銘柄:上場廃止が決まった/そのおそれがある株式
- ② 信託期間が20年未満の投資信託:長期保有に向かないため対象外
- ③ 毎月分配型の投資信託:分配金を頻繁に払い出す=複利が効きにくいため対象外
- ④ デリバティブ取引を用いた一定の投資信託:高レバレッジ型・ブル/ベア型など(いわゆる「レバナス」等)
ポイントは、これらは「危ないから禁止」というより、NISAの目的(長期・安定的な資産形成)になじまないから外されているということです。まずは、成長投資枠で買えるもの・買えないものの全体像を図で確認しましょう。
成長投資枠で「買えるもの・買えないもの」の全体像
新NISAの成長投資枠(年間240万円)は、つみたて投資枠に比べて対象商品がかなり広いのが特徴です。国内外の上場株式(個別株)、ETF、REIT、そして大半の投資信託が買えます。ただし、そのなかから前述の4類型が除かれています。図1をご覧ください。
※対象商品は証券会社の取扱いや金融庁・資産運用業協会のリスト更新により変わります。最新は各公式情報でご確認ください。
買えるもの:個別株・ETF・REIT・大半の投資信託
成長投資枠では、日本株・米国株などの個別株、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)、多くのインデックス/アクティブ投信が購入できます。高配当株や増配株を個別に選びたい人、REITで分配金をねらいたい人にとっては、選択肢の広い枠です。成長投資枠を「個別株」と「投信」のどちらで埋めるか迷う方は、新NISAの成長投資枠は「個別株」と「投資信託」どっちで埋める?50代の選び方とコア・サテライト戦略もあわせてどうぞ。
買えないもの:投資信託は全体の一部が対象外
一方で、投資信託については金融庁・資産運用業協会が「成長投資枠の対象商品リスト」を公表しており、そのリストに載っていない投信は買えません。上場株式についても、上場廃止に関わる整理・監理銘柄は対象外です。実際に買える投信の一覧は資産運用業協会「NISA成長投資枠の対象商品」で検索できます。


買えない4類型を詳しく|整理・監理銘柄/毎月分配型/高レバレッジ投信ほか
成長投資枠で対象外とされている4類型を、理由とあわせて整理します。図2をご覧ください。
※制度の運用・対象商品は今後変わる場合があります。個別商品の対象可否は各証券会社・公式リストでご確認ください。
① 整理銘柄・監理銘柄(上場廃止に関わる株)
整理銘柄は上場廃止が決まった株、監理銘柄は上場廃止基準に触れるおそれがある株です。いずれも価格変動が極端に大きく、長期保有の前提が崩れているため対象外です。なお、買ったあとに監理・整理銘柄へ指定された場合は、そのまま成長投資枠で保有を続けられますが、新たにNISAで買い増すことはできません。
② 信託期間が20年未満の投資信託
信託期間(ファンドが運用される予定の期間)が20年より短い投信は、途中で運用が終わってしまう可能性があり、長期の資産形成に向かないため除外されています。長く持ち続けることを前提としたNISAらしい基準といえます。
③ 毎月分配型の投資信託
毎月分配型は、運用益を毎月払い出す仕組みのため、再投資による複利効果が働きにくく、ときに元本を取り崩して分配する「タコ足配当」になることもあります。資産を「増やす」より「受け取る」性格が強いため、成長投資枠では対象外です。毎月分配型の落とし穴はプラチナNISAとは?2026年新設で何が変わる|毎月分配型とタコ足配当の罠で詳しく解説しています。
④ デリバティブ取引を用いた一定の投資信託(高レバレッジ型など)
先物・オプションなどのデリバティブを使って値動きを何倍にも増幅させる高レバレッジ型(ブル・ベア型、いわゆる「レバナス」など)は、短期的な値動きが激しく長期保有に不向きなため対象外です。値動きの大きさに引かれて手を出したくなりますが、NISAでは買えない、と覚えておきましょう。
つみたて投資枠はもっと厳しい|個別株・ETF・REITは対象外
ここまでは成長投資枠の話でした。もう一つのつみたて投資枠(年間120万円)は、対象がさらに絞られています。金融庁が「長期・積立・分散投資に適している」と認めた一定の投資信託・一部のETFだけが対象で、個別株・REIT・大半のETFはそもそも買えません。図3で2つの枠の対象商品を比べてみましょう。
※対象本数・商品は時期や証券会社により異なります。最新は金融庁・資産運用業協会の公式情報をご確認ください。
つみたて枠は「長期・積立・分散」向きの投信だけ
つみたて投資枠の対象は、販売手数料ゼロ(ノーロード)・信託報酬が一定以下など、金融庁の基準を満たした投信に限られます。本数は数百本程度で、低コストのインデックスファンドが中心です。何を選べばいいか迷う方は、新NISAで買うべきインデックスファンドTOP3|50代が選ぶ理由を参考にしてください。
2つの枠は「役割分担」で考える
対象商品の違いは、2つの枠の役割の違いそのものです。つみたて枠はコア(土台)を低コスト投信でコツコツ、成長投資枠はサテライト(+α)で個別株・ETF・REITも、という組み合わせが50代には現実的です。全体の設計は新NISA つみたて投資枠と成長投資枠はどっちが得?50代の賢い使い分けで解説しています。
参考になる一次情報
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」:制度概要・対象商品の考え方の公式情報
- 資産運用業協会「NISA成長投資枠の対象商品」:成長投資枠で買える投信の検索
「対象商品リストに載っているか」を実際に確認するには、取扱本数が多く検索機能の使いやすいネット証券があると便利です。証券会社ごとの取扱いの違いはネット証券3社徹底比較|新NISAで選ぶならSBI・楽天・マネックスどれ?もあわせてどうぞ。
50代が誤解しやすいポイントと商品選びの注意点
最後に、成長投資枠の「買えない・買える」で50代が特につまずきやすい点を整理します。
- 誤解「成長投資枠なら何でも買える」 → 実際は4類型が対象外。人気の高レバレッジ・毎月分配型は買えない
- 誤解「対象外=危険で禁止」 → 長期の資産形成になじまないから外されているだけ。良し悪しの断定ではない
- 誤解「一度買えたものはずっと買える」 → 整理・監理銘柄に指定されると新規購入は不可(保有は継続可)
「NISAで買えない=投資してはいけない」ではない
誤解しないでほしいのは、成長投資枠で対象外の商品でも、課税口座(特定口座)でなら購入できるという点です。たとえば毎月分配型や高レバレッジ投信を「よく理解したうえで、少額のサテライトとして」使いたいなら、特定口座という選択肢はあります。ただし50代は、まず非課税メリットの大きい資産形成向きの商品を優先し、値動きの激しい商品は余裕資金の範囲にとどめるのが基本です。暴落局面での向き合い方は暴落時の対応マニュアル|50代が守るべき行動原則もあわせて確認しておくと安心です。
迷ったら「対象商品リスト」で確かめる習慣を
商品名だけで判断せず、買う前に金融庁・資産運用業協会の対象リストや、証券会社の商品ページで「NISA対象かどうか」を確認する——この一手間が、買おうとして弾かれる無駄や、思わぬ商品選びのミスを防いでくれます。NISA制度全体の基本をおさらいしたい方は新NISAって結局何がお得なの?50代サラリーマンが実際にやってみたからどうぞ。
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まとめ:対象外を知れば、迷わず「資産形成向き」を選べる
- 成長投資枠は幅広い一方、4類型(整理・監理銘柄/信託期間20年未満/毎月分配型/高レバレッジ投信)は対象外
- 除外は「危険だから」ではなく長期・安定的な資産形成になじまないから
- 整理・監理銘柄は指定後の新規購入は不可(すでに持っている分の保有は継続可)
- つみたて投資枠はさらに厳しく、個別株・REIT・大半のETFは対象外
- 対象外でも特定口座でなら購入可能。ただし50代は資産形成向きを優先し、値動きの激しい商品は余裕資金で
- 買う前に金融庁・資産運用業協会の対象リストで確認する習慣を
「NISAで買えないもの」を知っておくことは、裏を返せば「NISAが後押ししてくれる資産形成向きの商品」がどれかを知ることでもあります。派手な値動きの商品に目を奪われず、まずは長期でコツコツ育てられるものを非課税枠で。そのうえで、どうしても気になる商品があれば特定口座で少額から——という順番で考えれば大きく外しません。焦らず、一緒にコツコツやっていきましょう!
※本記事は2026年7月時点の公開情報を基にした一般的な情報提供であり、特定の銘柄・金融商品や投資手法を推奨・保証するものではありません。新NISAの対象商品・除外基準(整理/監理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型、デリバティブを用いた一定の投資信託等)や対象本数は、今後の制度運用・金融庁および資産運用業協会のリスト更新、証券会社の取扱いにより変更される場合があります。個別商品がNISAの対象かどうかは、購入前に必ず各証券会社の商品ページや公式リストでご確認ください。投資信託・上場株式等は元本保証ではなく、価格変動等により損失が生じる可能性があります。具体的な投資判断にあたっては、金融庁・資産運用業協会等の公式情報を確認のうえ、必要に応じて証券会社・FP等の専門家にご相談ください。投資は元本割れの可能性があります。








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