楽天証券で新NISAを始めたけれど、SBI証券に移したい——そう考える50代がまず戸惑うのが、「移管」という言葉に2つの手続きが混ざっていることです。NISA口座の引っ越しと、特定口座にある株・投資信託の引っ越しは、ルールも手数料もまったく別物です。
結論を先に書くと、NISAで持っている商品はSBI証券へは移せません。移せるのは「来年から買う場所」だけです。2027年分の変更は2026年10月1日から受付が始まっています。特定口座の株は出庫無料、投資信託は1銘柄3,300円ですが、SBI証券の制度で負担してもらえます。この記事では、楽天証券・SBI証券の公表情報(2026年9月時点)をもとに、損をしない順番を整理しました。






📑 目次
結論:NISAの中身は移せない。移すのは「来年から買う場所」
最初に、今回の要点を4行でまとめます。
- NISAで保有中の商品:SBI証券へは移せない。楽天証券に残して非課税のまま持ち続けるか、売るかの2択
- NISA口座の金融機関変更:2027年分は2026年10月1日から受付。手続き全体で1〜2か月が目安
- 特定口座の株:楽天証券の出庫手数料は国内株・米国株とも無料
- 特定口座の投資信託:1銘柄3,300円(税込)。SBI証券の制度で全額負担を受けられるが申請が必要。楽天・プラスなど楽天証券限定の投信は移せない
つまり、50代がやることは「NISAの買付先を来年からSBI証券に変える」+「必要なら特定口座の株・投信を移す」の2段階です。以下、それぞれを順番に見ていきます。
楽天証券→SBI証券の「移管」は2種類ある
下の図のように、NISAと特定口座では、移せるもの・かかるお金・かかる日数がまったく違います。
※2026年9月時点の公表情報。条件は変更される場合があります。
①NISA口座の金融機関変更=「これから買う場所」を変える
NISA口座は、1人1つの金融機関でしか開けません。金融機関変更は、この「1つ」を楽天証券からSBI証券に付け替える手続きです。楽天証券の公式案内でも、NISA口座間で商品を移すことは制度上できないとされています。変更後、楽天証券に残ったNISAの商品は「売却のみ可能」な状態で持ち続けることになります。
②特定口座の移管=「持っている商品そのもの」を引っ越す
一方、課税口座(特定口座)で持っている株や投資信託は、そのまま別の証券会社に移せます。これが本来の意味の「移管」です。こちらは税金の非課税とは関係がないので、いつでも手続きできます。




NISA口座を変える手順とスケジュール(2027年分)
楽天証券の案内では、2026年分の変更受付は9月14日で終了しており、2027年分の受付が2026年10月1日から始まっています。また、NISA口座でその年に1回でも買付をすると、その年のうちには変更できず、変更は翌年分からになります。今年すでに楽天証券で積み立てている人は、2027年分からSBI証券に切り替える、という流れです。
※日数は各社の案内にもとづく目安。書類の不備や郵送事情で延びることがあります。
手順1:楽天証券でNISA口座の廃止を申し込む
楽天証券のNISAのページから金融機関変更(廃止)の手続きをすると、「勘定廃止通知書」(または「非課税口座廃止通知書」)が発行されます。このとき、楽天証券側のNISAの積立設定も確認しておきましょう。変更後に設定が残っていると、注文がエラーになるなど思わぬ動きになることがあります。
手順2:SBI証券に書類を送り、NISAを申し込む
SBI証券の口座がまだない人は口座開設とあわせて、ある人はNISAの申込をして、勘定廃止通知書を郵送します。SBI証券の案内では、SBI証券から税務署に申請し、4週間程度で確認が終わります。
手順3:SBI証券で積立設定をし直す
NISA口座ができたら、SBI証券で積立設定をし直します。三井住友カードで積み立てるなら、このタイミングでカードの登録も済ませます。2027年1月の積立をSBI証券で始めたいなら、10〜11月中に手続きを始めるのが安全です。
手続きの全体像は、楽天証券の「NISA口座の金融機関変更・移管」ページにも図解で載っています。銀行からネット証券への変更も含めた一般的な流れは、新NISA口座の金融機関変更ガイドでも解説しています。
楽天証券に残るNISAの商品は「置いておく」か「売って買い直す」か
金融機関を変えても、楽天証券のNISAで買った商品は楽天証券に残ります。ここで選べるのは次の2つです。
| 選び方 | A:楽天証券に置いておく | B:売ってSBI証券で買い直す |
|---|---|---|
| 非課税 | そのまま続く(期限なし) | 売った時点の利益は非課税。買い直す分は新しい年の枠を使う |
| 枠 | 使った枠はそのまま | 売った分(買った値段ベース)の枠は翌年に復活 |
| 手間 | 口座が2つになる | 口座を1つにまとめられる |
| 注意点 | 楽天証券のログイン情報を家族にも残しておく | 売ってから買うまでの値動き。年間の投資枠(360万円)の範囲でしか買い直せない |
50代にとって大きいのは、Bは「年間360万円まで」しか買い直せない点です。楽天証券のNISAに500万円あっても、1年でSBI証券に全額を買い直すことはできません。売った分の枠が戻るのも翌年です。売却と買い直しの間に相場が動けば、そのぶん損をすることもあります。







特定口座の株・投資信託を移すときの手数料と注意点
NISAとは別に、楽天証券の特定口座で株や投資信託を持っている人は、それをSBI証券に移すかどうかも考えます。楽天証券の手数料表では、出庫(他社への移管)の手数料は次のとおりです。
※2026年9月時点。SBI証券の負担には申請期限などの条件があります。
株は無料、投資信託は1銘柄3,300円
国内株式・米国株式の出庫は無料です。投資信託だけは1銘柄につき3,300円(税込)かかります。5銘柄なら16,500円です。ただしSBI証券は、他社で払った投資信託・米国株式の出庫手数料を全額負担する制度を用意しています。条件は、入庫日から3か月後の月末最終営業日までに「入庫申込書」と「移管元の出庫手数料の領収書等」を提出すること。領収書が出ない場合は画面の印刷でもよいとされています。申請を忘れると3,300円はそのまま自己負担なので、移管が終わったらすぐ出しましょう。
楽天・プラスシリーズは移せない
移せる投資信託は、SBI証券でも取り扱っているものに限られます。楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンドなどの楽天・プラスシリーズは楽天証券限定の商品なので、SBI証券には移せません。また、楽天・マネーファンドや外貨建てMMF、信用取引の担保(代用有価証券)にしている投資信託も対象外です。
移管中は売買も積立もできない
楽天証券の案内では、書類が届いてから完了まで2週間程度(最長1か月)かかり、その間は対象の銘柄を取引できません。積立を設定したままだと、積立注文がエラーになります。受付後は内容の変更・取消しもできないので、書類を出す前に銘柄と口数を確認してください。




そもそも楽天証券からSBI証券へ移すべきか
手続きの前に、本当に移す理由があるかを確かめておきましょう。移すメリットとデメリットは次のとおりです。
- 移すメリット:三井住友カード(NL)でのクレカ積立(0.5%)が使える/投資信託の保有でVポイントなどがたまる/Oliveなど三井住友系サービスとまとめられる
- 移すデメリット:楽天カードでのクレカ積立・楽天ポイントでの投資が使えなくなる(NISAの分)/楽天・プラスシリーズは買えない/口座が2つになる
低コストの投資信託なら、楽天カードも三井住友カード(NL)もクレカ積立のポイントは0.5%でほぼ同じです(詳しくは楽天証券 vs SBI証券の比較記事)。「なんとなくSBI証券のほうが良さそう」だけで移すと、手間だけかかって得がないことも。ふだん三井住友カードを使っている、Vポイントを貯めている、という理由があるなら移す価値があります。
50代のタイプ別|移す・移さないの判断
- 三井住友カード・Vポイント中心の生活:2027年分からNISAをSBI証券へ。楽天証券のNISAの中身は置いたまま
- 楽天カード・楽天ポイント中心の生活:無理に移さない。楽天証券のまま続けるのが手間もかからない
- 口座を1つにまとめたい(相続も見すえて):NISAはSBI証券へ変更し、特定口座の株・投信も移管。NISAの中身は年間枠の範囲で少しずつ買い直す
- 楽天・プラスシリーズを多く持っている:特定口座分は移管できないので、楽天証券に残すのが基本



SBI証券の口座開設・カード発行はハピタス経由で
SBI証券に移すと決めたら、まずは口座開設です。ポイントサイトのハピタス経由で申し込むと、通常の特典とは別にポイントが上乗せされることがあります(時期によって変わります)。移管の手数料負担とあわせて、引っ越しのコストを実質プラスにできる可能性があります。
SBI証券でクレカ積立をするなら、三井住友カード(NL)もセットで用意しておきます。
反対に、SBI証券から楽天証券へ移したい人も手続きの流れは同じです。楽天証券の口座がまだない人はこちらから。
よくある質問
Q. 楽天証券からSBI証券に乗り換えるべきですか?
A. ふだん三井住友カードを使っている、Vポイントを貯めているなら、乗り換える価値があります。楽天カード・楽天ポイント中心の生活なら、無理に移す理由は多くありません。低コストの投資信託なら、クレカ積立のポイントは楽天カードも三井住友カード(NL)も0.5%でほぼ同じです(2026年9月時点の各社公表情報)。
Q. NISAで持っている投資信託をSBI証券へ移せますか?
A. 移せません。NISA口座の中身はほかの証券会社へ移せない制度です。変えられるのは翌年以降の買付先で、2027年分の変更は2026年10月1日から受け付けています。楽天証券に残した分も、非課税のまま持ち続けられます。
Q. 信用取引の担保(代用有価証券)にしている投資信託も移管できますか?
A. 楽天証券の案内では、代用有価証券にしている投資信託は移管の対象外です。楽天・プラスシリーズや楽天・マネーファンド、外貨建てMMFも同じく移せないため、移す前に対象かどうかを確かめてください。
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まとめ
この記事の要点
- 楽天証券→SBI証券の「移管」はNISA口座の金融機関変更と特定口座の移管の2種類
- NISAで持っている商品は移せない。楽天証券に置いたままでも非課税は続く
- 2027年分の変更は2026年10月1日から受付。全体で1〜2か月が目安なので、1月から切り替えるなら10〜11月に動く
- 特定口座の株は出庫無料、投資信託は1銘柄3,300円。SBI証券の負担制度は入庫後の申請が必要
- 楽天・プラスシリーズは移せない。移す理由(カード・ポイント・一本化)がはっきりしてから動く
証券会社の引っ越しは、一度やり方がわかれば難しくありません。大事なのは、非課税で育っている資産を焦って動かさないこと。来年からの買付先を決めて、手続きは年内に余裕をもって進めましょう。一緒にコツコツやっていきましょう!
※本記事は2026年9月時点の楽天証券・SBI証券の公表情報にもとづく個人の見解であり、特定の金融商品の購入や口座開設を勧誘するものではありません。手数料・受付期間・キャンペーンの条件は変更される場合があります。最新の情報は必ず各社公式サイトでご確認のうえ、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。投資は元本割れのリスクがあります。








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