2024年から新NISAが始まって、もう3年目。「旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)に置いたままの資産、そういえばどうなってるんだっけ?」——そう思った50代の方は、この記事を今読んでおいて正解です。2022年に一般NISAで買った分は、2026年末で非課税期間が終わります。つまり今年の年末が期限。しかも何もしなければ自動的に課税口座へ移り、そのとき取得価額が年末の時価に書き換わるという、知らないと損得が変わる仕組みが待っています。この記事では「売って新NISAで買い直す」と「そのまま払い出す」のどちらが得なのかを、いっしょに整理していきましょう。



📑 目次
結論:判断を分けるのは「新NISAの枠が空いているか」
先に結論からお伝えします。旧NISAの非課税期間が終わるとき、取れる道は大きく2つ。①非課税期間のうちに売る(そして必要なら新NISAで買い直す)か、②何もせず課税口座へ払い出すかです。そしてどちらが得かを決める最大の要素は、あなたの新NISAの非課税枠がまだ余っているかどうかです。
- 新NISAの枠が余っている → 売って新NISAで買い直す。その後の値上がり・配当がずっと非課税になるので有利になりやすい
- 新NISAの枠をすでに使い切っている → 無理に売らず、そのまま課税口座へ払い出すほうが素直。売買のコストとタイミングのリスクを負わずに済む
- 含み損を抱えている → 払い出すとその損は税務上なかったことになる。ここだけは要注意(後で詳しく)
- つみたてNISAの分は急がなくてよい → 非課税期間が20年あるので、期限はまだ先
「結局、放っておいてもいいの?」という問いへの答えは、「多くの人はそれでも大きな損はしない。ただし損得の分かれ目を知ったうえで選ぶべき」です。順番に見ていきます。
自分の期限はいつ?旧NISAの非課税期間カレンダー
まず自分の期限を確認しましょう。旧NISAは2種類あり、非課税で持てる期間がまったく違います。
※一般NISAは買付した年を含めて5年、つみたてNISAは20年が非課税期間です。実際の取扱いは金融機関により細部が異なる場合があります。
一般NISAは「買った年+5年」で終わる
一般NISAの非課税期間は、買付した年を含めて最長5年。したがって2019年に買った分は2023年末、2020年分は2024年末……という順で、すでに終了しています。そして2022年に買った分が2026年末、2023年に買った分が2027年末。一般NISAは2023年で新規買付が終わっているので、2027年末が最後の期限ということになります。
つみたてNISAは20年、まだ焦らなくてよい
一方、つみたてNISAの非課税期間は20年。2018年に買った分でも2037年末まで非課税で持てます。「旧NISAが終わる」というニュースを見て慌てて売ってしまう——これがいちばんもったいないパターンです。自分の資産がどちらの制度で買ったものか、まずはそこを確認してください。

放置するとどうなる?「取得価額が上書きされる」仕組み
ここがこの記事のいちばん大事なところです。非課税期間が終わっても、資産が消えるわけでも、強制的に売られるわけでもありません。手続きをしなければ、翌年の年初に自動的に課税口座(特定口座など)へ移ります。手続き不要、という意味では簡単です。
ただし、そのときに取得価額(買った値段の記録)が、非課税期間終了時点の時価に書き換えられます。これが損得を分けます。
※数値は仕組みを説明するための単純化した例で、実際の金額・銘柄を示すものではありません。税率は復興特別所得税を含めた概算です。
含み益なら「払い出し」はむしろ有利に働く
図2の左側。100で買ったものが140に育った状態で払い出すと、新しい取得価額は140になります。つまりそれまでの値上がり分40は、非課税のまま確定。その後170まで上がって売っても、課税されるのは140→170の30の部分だけです。これは「非課税期間を使い切れた」状態で、決して悪い結果ではありません。
含み損だと「損がなかったこと」になってしまう
問題は図2の右側です。100で買ったものが70に下がった状態で払い出すと、新しい取得価額は70。その後100に戻っただけなのに、税務上は「70で買ったものが100になった」と見なされ、30の利益として課税されてしまうのです。実際には元本が戻っただけなのに、です。
それでも払い出しには「その後の値戻り分に課税される」という追加の不利がある——ここが判断のポイントになります。

A「売って新NISAで買い直す」vs B「そのまま払い出す」
では2つの選択肢を、正面から比べてみましょう。
※制度・手数料は変更される可能性があります。個別の税務判断は税理士等の専門家にご確認ください。
A:売って新NISAで買い直す
最大のメリットは、その後の値上がり益も配当・分配金も、ずっと非課税で持ち続けられること。50代からでも運用期間はまだ10年、20年とあります。長く持つつもりの資産なら、この差は効いてきます。
ただしデメリットも正直に。①新NISAの非課税枠(年間360万円・生涯1,800万円)を消費する、②売買手数料がかかる場合がある、③売ってから買うまでの数日間、相場から離れる(値上がりを取り逃がす/下落を避けられる、どちらもあり得る)——この3点です。
B:そのまま課税口座へ払い出す(何もしない)
手続き不要で、売買コストもゼロ。相場から離れる時間もありません。そして新NISAの枠を温存できるのが地味に大きなメリットです。すでに新NISAで毎月しっかり積み立てていて枠に余裕がない人は、無理に旧NISAを売って新NISAに詰め込む必要はありません。
デメリットは、払い出し後の利益に約20.315%が課税されること。そして先ほどの「含み損だと不利」という点です。
50代の判断フローチャート|3つの質問で決まる
実際にどう決めるか。次の3つの質問に順番に答えてみてください。
→ いいえ(つみたてNISA)なら、期限はまだ10年以上先。今は何もしなくてOKです。
→ はいなら、Q2へ。
Q2. 新NISAの非課税枠は、まだ余っている?
→ 使い切っているなら、選択肢Bで問題なし。払い出したうえで、必要になったときに課税口座で売ればよい。
→ 余っているなら、Q3へ。
Q3. その商品を、これからも10年以上持ち続けたい?
→ はいなら、選択肢A(売って新NISAで買い直す)の価値が高い。長く持つほど非課税の効果が積み上がります。
→ いいえ(数年内に使う予定のお金)なら、無理に新NISAへ移す必要は薄い。使う時期に合わせて現金化を検討します。
実行するなら「年末の直前」を避ける
選択肢Aを選ぶ場合、実務上のコツがひとつ。12月の最終営業日ギリギリに動かないことです。投資信託は売却の受渡しに数営業日かかりますし、年末は取引が集中します。動くなら11月中には決めておく——これくらいの余裕を持っておくと安心です。
また、旧NISAの資産を持っている証券会社と、新NISA口座を開いている証券会社が違うケースもあります。その場合は「旧NISAのある会社で売る → 新NISA口座のある会社で買う」という流れになります。まだ新NISA口座を作っていない方、あるいは使い勝手のよいネット証券に移したい方は、この機会に整えておくと動きがスムーズです。
買い直す銘柄をあらためて選び直したい、個別株の分析ツールも使いたいという方は、銘柄スカウターが使えるマネックス証券という選択肢もあります。制度そのものの一次情報は金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認できますし、投資信託の仕組みについては投資信託協会の公式サイトでも図解付きで解説されています。
やりがちな3つの失敗
最後に、実際に多い勘違いを3つ挙げておきます。
旧NISAから新NISAへの移管(ロールオーバー)は制度としてできません。旧NISAと新NISAは別々の口座として管理されています。「手続きすれば引き継げるはず」と待っていると、そのまま年末が来ます。
失敗② つみたてNISAの分まで慌てて売ってしまう
つみたてNISAは非課税期間20年。まだ十数年の余裕があります。「旧NISA終了」の見出しに反応して、まだ非課税で育つはずの資産を手放すのは典型的なもったいないパターンです。
失敗③ 「損を確定させて税金を取り戻す」と考える
NISA口座の損失は損益通算も繰越控除もできません。特定口座での損出しとは仕組みが違います。この点は新NISAは損益通算・繰越控除ができないで詳しく解説しています。
お金の制度は、知っているかどうかだけで結果が変わる場面があります。家計全体の「貯める・守る・増やす」を一度きちんと地図にしておきたい方は、『本当の自由を手に入れる お金の大学』のような1冊が土台になります。


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まとめ:年末の前に、証券口座を1回開こう
- 一般NISAの2022年買付分は2026年末、2023年買付分は2027年末で非課税期間が終了。2023年で新規買付が終わっているため、2027年末が最後の期限
- つみたてNISAは非課税20年。慌てて売る必要はない
- 旧NISAから新NISAへのロールオーバーはできない。両者は別の口座
- 何もしなければ翌年初に課税口座へ自動で払い出され、取得価額が終了時の時価に上書きされる
- 含み益なら払い出しでも不利ではない(値上がり分は非課税で確定)。含み損だと損が税務上なかったことになるので要注意
- 判断の軸は「新NISAの枠が余っているか」「これからも長く持ち続けたいか」の2点
- 動くなら11月中に。年末ギリギリの売買は避ける
旧NISAの出口は、むずかしい判断に見えて、実は「自分の残高を1回確認する」だけで9割が終わります。残高がなければ関係なし、あれば買付年と含み損益をメモして、この記事のフローチャートに当てはめるだけ。年末になってから焦るより、涼しいうちに済ませてしまいましょう。一緒にコツコツやっていきましょう!
※本記事は2026年7月時点の公開情報を基にした一般的な情報提供であり、特定の金融商品の売買や特定の税務処理を推奨するものではありません。NISA制度の取扱い、課税口座への払い出し手続き、取得価額の計算方法の細部は金融機関によって異なる場合があります。記事中の数値は仕組みを説明するための単純化した例であり、実在の商品の運用成果を示すものではありません。税率(約20.315%)は復興特別所得税を含む概算です。税務上の取扱いは個々の状況により異なるため、具体的な判断は税理士・所轄税務署等の専門機関にご確認ください。最新かつ正確な情報は金融庁・国税庁・お取引の金融機関等の一次情報でご確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。投資には元本割れのリスクがあります。








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