「今年はどのサイトでふるさと納税しよう?」——去年までなら、答えは「ポイント還元がいちばん高いところ」で終わりでした。ところが2025年10月1日から、ポータルサイトが寄付者にポイントを付ける行為そのものが禁止されています。楽天ふるさと納税も、さとふるも、ふるなびも、独自ポイントは一律ゼロ。つまり「還元率でサイトを選ぶ」という指標が消えたのです。では2026年の今、50代は何を基準に選べばいいのか。そして、ふるさと納税で浮いたお金をどう新NISAにつなげるのか。数字で整理します。



📑 目次
結論:もう「還元率」では選べない。50代の基準は3つだけ
先に結論をお伝えします。
- ポータルサイトの独自ポイントは全サイト一律でゼロ。2025年10月1日から総務省の告示改正で禁止されたため、「どこが還元率が高いか」という比較そのものが成立しない
- 残っているのはクレジットカードなど決済側のポイントだけ。ここは規制の対象外で、今も付与される
- だから50代の選び方は「①欲しい返礼品があるか ②ワンストップ特例をラクに終えられるか ③使い慣れた決済が使えるか」の3点に集約される
- 楽天ふるさと納税=楽天経済圏の人/さとふる=手続きを最短で終えたい人/ふるなび=家電・体験を狙う人、というのが現時点での棲み分け
- そして最重要:ふるさと納税の旨味の本体は、もともとポイントではなく返礼品。年12万円の寄付なら、自己負担2,000円で約3.4万円分が浮く計算になる
「改悪だからもうやらない」という声も見かけますが、それはもったいない判断です。ポイントは上乗せの部分であって、制度の骨格——実質2,000円の負担で返礼品を受け取れる仕組み——は一切変わっていません。
何が禁止されたのか|2025年10月改正を正確に押さえる
禁止されたのは「仲介サイトによるポイント付与」
2024年6月、総務省がふるさと納税の指定基準を見直す告示改正を公表しました。その中に、「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集の禁止」が含まれています。適用開始は2025年10月1日。自治体はポイントを付与するポータルサイトを通じて寄付を募集できなくなった、という建て付けです。
※グラフ中の10%・1%はイメージのための代表値であり、実際の還元率はサイト・時期・キャンペーンによって大きく異なりました
楽天ふるさと納税で具体的に何が消えたか
いちばん影響が大きかったのが楽天ふるさと納税です。同社が公表した変更内容を整理すると、こうなります。
| 項目 | 2025年9月まで | 2025年10月以降 |
|---|---|---|
| 基本ポイント(100円で1P) | 付与 | 廃止 |
| お買い物マラソン等の買い回りカウント | 対象 | 対象外 |
| SPU(楽天モバイル・楽天ブックス等) | 対象 | 対象外 |
| 楽天カードなど決済側のポイント | 付与 | 引き続き付与 |
| ポイントサイト経由での上乗せ | サイトにより実施 | 禁止の対象 |
※2026年8月時点で楽天および総務省が公表している情報をもとに整理。制度・各社の運用は変更される場合があるため、必ず公式の最新情報をご確認ください。
この表でいちばん見落とされがちなのが最後の行です。ポイントサイト(ポイ活サイト)を経由してふるさと納税をする裏ワザも、禁止の対象に含まれます。「ハピタスやモッピー経由なら上乗せできる」という以前の情報が残っているブログもありますが、2026年の今その方法は使えません。古い情報に従って手間をかけても、ポイントは付かないので注意してください。

3サイト徹底比較|楽天ふるさと納税・さとふる・ふるなび
還元率が横並びになった今、差が出るのはここ
独自ポイントという最大の差別化要素が消えた結果、3サイトの比較軸は「品ぞろえ」「使い勝手」「申請のしやすさ」に移りました。整理したのが図2です。
※2026年8月時点の整理です。対応状況・取扱返礼品は変更される場合があります
楽天ふるさと納税|楽天経済圏で完結させたい人
独自ポイントは消えましたが、楽天市場と同じインターフェースで、楽天IDのまま寄付できる手軽さは健在です。住所やクレジットカード情報を新たに登録する必要がなく、購入履歴も楽天市場の注文履歴に並びます。「新しいサイトに会員登録するのが面倒」という50代には、この一点だけで十分な選択理由になります。楽天ポイントを支払いに充てることもできるため、貯まったポイントの出口としても使えます。
さとふる|手続きを最短で終えたい人
さとふるの強みは専用アプリと配送の早さです。特に注目したいのが「さとふるアプリdeワンストップ申請」で、マイナンバーカードとスマホがあれば、アプリ内でワンストップ特例の申請が完結します。書類を印刷して、本人確認書類をコピーして、封筒に入れて投函する——あの一連の作業が丸ごと不要になります。返礼品の到着が早いという評価も定着しています。
ふるなび|家電・体験を狙う人
ふるなびは家電・電化製品の取り扱いの多さで他サイトと差別化しています。旅行や体験型の返礼品も充実。50代であれば、そろそろ買い替え時期の家電(掃除機・調理家電・空気清浄機など)を返礼品で調達するという使い方がハマります。ワンストップ特例のオンライン申請サービスも用意されています。
- 楽天カードをメインで使っている → 楽天ふるさと納税
- とにかく手続きを早く終わらせたい → さとふる(アプリ申請)
- 家電や旅行を狙いたい → ふるなび
- 特にこだわりがない → 欲しい返礼品を検索して、それを扱っているサイトで寄付する。これがいちばん合理的
残された唯一の還元|決済ポイントで差をつける
寄付額の1%前後は今も取り戻せる
ポータルの独自ポイントは消えましたが、クレジットカードや決済サービスの通常ポイントは規制の対象外です。ここは今も生きています。年間12万円を寄付するなら、還元率1%のカードで1,200ポイント。還元率0.5%のカードなら600ポイント。差はわずか600円ですが、支払い方法を変えるだけで手に入る600円です。
- 年6万円の寄付:還元率1.0%なら600pt/0.5%なら300pt
- 年12万円の寄付:還元率1.0%なら1,200pt/0.5%なら600pt
- 年20万円の寄付:還元率1.0%なら2,000pt/0.5%なら1,000pt
※カード会社・決済手段によって還元率および対象条件は異なります。自治体によってはカード決済が使えない場合もあります。
ふるさと納税は「もともと払う税金の付け替え」なので、ここでカードを使っても家計の支出は増えません。純粋にポイントの取りこぼしを防ぐだけの話です。年会費無料で還元率1%のカードを1枚持っておけば、ふるさと納税に限らず日常のあらゆる支払いで同じ効果が出ます。
クレカ積立との合わせ技も考える
カードを選ぶなら、新NISAのクレカ積立で使えるかどうかもあわせて見ておくと効率的です。日常の支払いとふるさと納税と投資の積立を1枚に集約すれば、年間の利用額が積み上がって上位カードの条件クリアにも効いてきます。カード選びの損益分岐点は三井住友カード ゴールド(NL)vs プラチナプリファードの記事で詳しく計算しています。
50代がいちばん重視すべきは「ワンストップ特例の手間」
手続きを忘れると、控除がまるごと消える
ここは声を大にしてお伝えしたい点です。ふるさと納税は「寄付して終わり」ではありません。確定申告をするか、ワンストップ特例の申請をするか、どちらかをやらないと税金の控除は一切受けられません。単なる寄付になって、自己負担2,000円どころか全額が自腹になります。
「年末にまとめて5自治体に寄付した。返礼品も届いたし、これで節税完了」
⭕️ 正しい理解
ワンストップ特例を使うなら、寄付した自治体それぞれに、翌年1月10日必着で申請書を提出する必要がある。1つでも出し忘れると、その分の控除は受けられない。年末に駆け込みで寄付するほど、申請の締切が厳しくなる。
だからオンライン申請に対応しているかが効く
5自治体に寄付すれば、書類も5通。印刷・記入・本人確認書類のコピー・封入・投函を5回繰り返すことになります。これが面倒で先送りにして、そのまま忘れる——というのが最も多い失敗パターンです。
だからこそ、マイナンバーカードを使ったオンライン申請に対応しているかどうかが、実は最大の選択基準になります。スマホで数分、その場で完結してしまえば、忘れようがありません。さとふるのアプリ申請や、ふるなびのオンライン申請サービスは、この一点で価値があります。
- 確定申告をする必要がない給与所得者であること(医療費控除などで申告するなら対象外)
- 1年間の寄付先が5自治体以内であること(同じ自治体に複数回寄付しても1カウント)
- 寄付するたびに、自治体ごとに申請すること
- 翌年1月10日必着で提出すること
※制度の詳細および最新の要件は必ず総務省・各自治体の公式情報でご確認ください。
制度の一次情報は総務省のふるさと納税ポータルサイトにまとまっています。控除額の上限や仕組みを確認したい方は、まずこちらを開いてください。

浮いたお金を新NISAへ|10年でいくらになるか計算する
「浮く金額」を正しく数える
ここからが本題です。ふるさと納税で実際に浮くのはいくらなのか。返礼品は寄付額の3割以内と定められているので、それを前提に計算します。
※あくまで単純計算の目安であり、運用成果を保証するものではありません。元本割れのリスクがあります
- 年3万円の寄付:1年で約7,000円が浮く → 10年積立で約88,000円
- 年6万円の寄付:1年で約16,000円 → 10年積立で約201,000円
- 年12万円の寄付:1年で約34,000円 → 10年積立で約428,000円
- 年20万円の寄付:1年で約58,000円 → 10年積立で約730,000円
※返礼品を寄付額の3割相当と評価し、自己負担2,000円を差し引いた金額を年5%で10年積み立てた場合の単純計算です。返礼品の価値は品目により異なり、運用利回りも変動します。将来の成果を保証するものではありません。
大事なのは「浮いた実感」を口座に移すこと
ここでいちばん多い失敗は、浮いたお金が生活費に溶けてしまうことです。返礼品でお米や肉が届けば食費は確かに減りますが、減った分を意識して投資に回さなければ、なんとなく別の支出に吸収されて終わります。
おすすめは「寄付した月に、返礼品相当額を新NISAへ手動で追加投資する」というルールを決めてしまうことです。年12万円寄付するなら、3.4万円を年1回スポットで買い付ける。この一手間だけで、10年後に40万円以上の差が生まれる計算になります。
同じ発想は、格安SIMで浮いた固定費を投資に回す話や、メルカリの売上を投資原資にする話とまったく同じです。「浮いたお金には行き先を先に決めておく」——50代の資産形成では、この習慣が効きます。
50代が特に気をつけたい落とし穴
①退職・収入減の年は、控除上限が大きく下がる
ふるさと納税の控除上限額はその年の所得で決まります。50代は役職定年・再雇用・早期退職などで収入が大きく動く時期。前年と同じ感覚で寄付すると、上限を超えた分は純粋な自己負担になります。
特に注意したいのが退職した年です。退職金は原則として分離課税なので、ふるさと納税の控除上限を計算する際の所得には基本的に含まれません。「退職金が入ったから今年はたくさん寄付できる」と考えるのは危険です。関連する税金の落とし穴は退職翌年の住民税ショックの記事でも扱っています。
②医療費控除や住宅ローン控除がある年はワンストップが使えない
ワンストップ特例は確定申告をしない人のための制度です。医療費控除を受ける、住宅ローン控除の初年度である、副業の所得を申告する——こうした事情で確定申告をする場合、ワンストップ特例の申請は無効になります。寄付分もあわせて確定申告に含める必要があるので、忘れないでください。
③12月の駆け込みは控除の反映が翌々年になることがある
年末ギリギリの寄付は、決済のタイミングによって翌年扱いになる場合があります。また、ワンストップ特例の申請書が1月10日に間に合わないリスクも高まります。50代の実務としては、11月中に済ませてしまうのが安全です。


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まとめ:ポイントが消えても、制度の本体は無傷
- 2025年10月1日からポータルサイトの独自ポイント付与は全面禁止。楽天・さとふる・ふるなびとも一律ゼロで、還元率での比較は成立しない
- ポイントサイト経由での上乗せも禁止の対象。「抜け道」を紹介する古い情報に従っても、もうポイントは付かない
- 残っているのはクレジットカードなど決済側のポイントだけ。年12万円の寄付なら還元率1%で1,200pt
- 50代の選択基準は「返礼品」「ワンストップ特例のラクさ」「使い慣れた決済」の3つ
- 楽天=楽天経済圏/さとふる=アプリで申請完結/ふるなび=家電・体験という棲み分け
- 最大のリスクはポイント廃止ではなく、ワンストップ特例の出し忘れ。1通忘れればその分の控除はゼロ
- 年12万円の寄付で浮く約3.4万円を新NISAに回せば、10年で約43万円の目安(年5%想定の単純計算)
制度が変わると「改悪だ」という声が先に立ちますが、失われたのは上乗せ分であって、本体ではありません。実質2,000円の負担で返礼品を受け取れる仕組みは、今も変わらずそこにあります。キャンペーンを追いかける時間が浮いたぶん、その分を「浮いたお金をどこに移すか」に使う——そのほうが、10年後の残高にはずっと大きく効いてくるはずです。一緒にコツコツやっていきましょう!
ふるさと納税・保険・通信費・投資——順番を押さえておくと、細かいキャンペーンに振り回されなくなります。まず全体像から整えたい方はこちらを。
※本記事は2026年8月時点の総務省の公表情報および各ふるさと納税ポータルサイトの公表情報を基にした一般的な情報提供であり、特定のサービス・金融商品の利用を推奨するものではありません。ふるさと納税の制度内容、控除上限額、ワンストップ特例の要件、各サイトの取扱返礼品・対応決済手段・オンライン申請の対応状況は、制度改正や各社の判断により予告なく変更されます。控除上限額は年収・家族構成・他の控除の有無によって大きく異なり、上限を超えた寄付分は自己負担となります。本記事のシミュレーションは返礼品を寄付額の3割相当と評価した単純計算であり、実際の返礼品の価値・運用成果を保証するものではありません。税務上の取り扱いについては、必ずお住まいの自治体または税務署・税理士等の専門家にご確認ください。投資信託・株式は元本割れのリスクがあります。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。








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